【 次世代太陽電池 ペロブスカイトへの期待 】
従来の太陽電池は、黒い大型のパネルが広い土地にずらりと並んでいたり、戸建て住宅の屋根などにも設置されています。
この種類は「シリコン系太陽電池」と呼ばれ、現在日本では95%のシェアを占めています。
耐久性に優れ、太陽光エネルギーを電力へ高い効率で変換できるというメリットはありますが、その重量から設置する場所が限られ、今後の設置場所の確保が課題となっています。
【ペロブスカイト太陽電池の特徴】
①「軽くて柔軟」
折り曲げやゆがみに強く軽量化され、屋根や壁、室内など設置場所拡大に大きく期待が持てる。
②「主要材料は日本が世界シェア第二位」
ぺロブスカイト太陽電池の主原料である「ヨウ素」の生産量は、日本が世界第二位でシェア30%を占めており、
原料埋蔵量についてはシェア78%となっている。
その為、サプライチェーンを他国に頼らず、国内で安定して主原料を確保できる。
③「構造の違いと低コスト」
ペロブスカイトと呼ばれる特定の結晶構造により、光をより効率的に吸収し電気エネルギーに変換できる。
また従来型より製造工程が少なく、大量生産により低コスト化が見込まれる。
積水化学工業社は、ペロブスカイト太陽電池の量産化を開始することを発表しました。
生産場所として大阪府・堺市に3,100億円を投じ、新工場を2030年までに建設する計画で、政府はその半分の費用を
補助し全面協力を予定しています。
ペロブスカイト太陽電池が普及すれば、再生可能エネルギーの主力電源化により、年間で化石燃料輸入額約15兆円の
削減が期待されます。省エネ対策だけではなく、軽量化で設置場所を選ばないため災害時避難場所(学校等)等への設置が進めば、迅速な電気供給支援にも期待がされます。
次世代太陽電池のペロブスカイトは、耐久性等の課題はまだありますが、経済、環境、ライフライン拡大など、様々な分野での効果が期待されています。
【参考資料 / 資源エネルギー庁より】
https://www.enecho.meti.go.jp/about/special/johoteikyo/perovskite_solar_cell_01.html
https://www.enecho.meti.go.jp/about/special/johoteikyo/perovskite_solar_cell_02.html