某洋食器製造会社では、食器製造の主材料として「リン酸三カルシウム」を使用されています。
リン酸三カルシウムの含有率30%以上の食器等を「ボーンチャイナ」と言い、JIS規格でも定められています。(JIS S2401 : 1991)
更に含有率50%以上であれば「ファインボーンチャイナ」と呼ばれており、その白さと透光性の見た目、鉛やカドミウムフリーの
食に関する安全性から、多くのレストランや家庭で愛用されています。
「ファインボーンチャイナ」は、食器製造時の不良品を、廃棄せず粒状のリン酸肥料として生成(=リサイクル)する技術を開発し、2022年に農水省から正式に認可され、販売許可が得られました。
これをうけ、壊れた陶磁器を回収・リサイクルし、野菜を育てる為のリン酸肥料提供の取り組みを加速させています。
この取り組みにホテル最大手も連携し、陶磁器の回収場所の設置、その肥料を使って収穫された野菜料理の提供など、活動を支援
する予定です。
リン酸肥料には、リン酸アンモニウムなどが主に使用されていますが、日本では約50.1万トン、ほぼ100%輸入に頼っており、
その内87%は中国です。
製造時の廃棄量削減とリサイクルによる資源使用の抑制の活動は、環境への責任を果たす「理想的な循環型経済構築」と言え、
「日本経済への貢献」と私たちは考えています。
「リン酸三カリウム」:
リン酸とカルシウムの化合物。リン灰石として産出され、土壌中に多く含まれる。食物の成長に必須の成分で、骨を燃焼させた際
にも得られる物質。