2023年11月20日

ダイナトロン 環境 23.11

「アース・オーバーシュート・デー」

地球が生み出す1年分の生物資源を、人類が使い切ってしまう日を「アース・オーバーシュート・デー」と呼びます。
(オーバーシュートデーの日付は毎年変わります)

アース・オーバー・シュートデーの算出方法
アース・オーバーシュート・デー=(地球が再生できる生物資源)÷(人類のエコロジカルフットプリント)×365

※エコロジカルフットプリントとは、人類が地球環境に与えている負荷を測る指標のこと。数値が高いほど資源への
負担が大きく、低いほど資源への負担が小さい。

2023年のアース・オーバーシュート・デーは8月2日です。つまり人類は、1年分の資源を8月2日までに全部使い切り、
残りの約5ヶ月は、来年使うはずの資源を前借りしていることになります。

2023年、日本のアース・オーバーシュート・デーは5月6日でした。世界平均よりも3ケ月近く早く迎えています。
しかし、5月6日を過ぎ、資源が枯渇しているにもかかわらず、日本には物が溢れ、水、電気、ガスも問題なく使用で
きているのは、資源の前借をし続けているという事です。

日本は世界の資源に依存している
例えば、世界の人々が日本人と同じ水準の暮らしをした場合、地球は「2.9個」必要となり、日本が「日本の資源だけ」
で生活するためには、日本7.8個分の資源が必要になります。日本は他国の自然資源に依存しているのです。

アース・オーバーシュート・デーは、年々前倒しになっています。1970年時点では12月30日でしたが、世界中で近代化
が進み、消費が増えるのに伴い、約50年間赤字状態を続けています。
オーバーシュートの蓄積により、耕作地の生産性の低下、漁場資源の枯渇、生物多様性の損失、地球温暖化などの問題に
もつながっています。

 

主な国のアース・オーバー・シュートデー(2023年度)

2月10日 カタール
3月13日 カナダ・アラブ首長国連邦・アメリカ
4月 2日 韓国
5月 4日 ドイツ・イスラエル
5月 6日 日本
5月12日 スイス
6月 2日 中国
9月12日 ベトナム
12月20日 ジャマイカ

 

アース・オーバーシュート・デーを遅らせるための対策
・食料廃棄物の削減・・・食料廃棄物を半減させることで、アース・オーバー・シュート・デーを延長することが可能。
・食生活の見直し・・・・加工食品の利用を抑え、輸入や長距離輸送されたものより、季節に収穫された地産品の利用を増やす。
・省エネと再生可能エネルギーの促進で、二酸化炭素の排出を抑える。

世界各地の生態系の悪化はすでに始まっています。
今後、二酸化炭素の排出量を現在の水準から30%減らすことができれば、アース・オーバーシュート・デーは
2030年には9月まで遅らせることができると言われています。改善できるかは、私たちの行動にかかっています。